File.20 響鬼・完結!有終の美

去年(2005年)の1月30日から始まった仮面ライダー響鬼は、
開始当初、完全新生の謳い文句に相応しく、大反響でスタートし、
途中プロデューサーや脚本家が交代して、路線変更が行われたのち、
様々な波紋を呼び、今年(2006年)の1月22日に放送終了した。
さて、最後まで見終わって、感動が残ってる内に、
この『仮面ライダー響鬼』について、10項目にして振り返ってみる。

1☆まず最終回の感想
明日夢と京介の仲直りと、ヒビキと明日夢の最後の会話が、
きっちり描写されていたのは嬉しかった。
前回、喧嘩した明日夢と京介。「裏切った」と怒った京介に、
「おまえに何が解る」と、つっかかっていった明日夢。
そんな2人が1年経ったある日に、お互いの成長を確かめ、
お互いを認めるというエピソードに、深く感動した。
「鬼になる事だけが、俺の弟子になる事じゃない、成長したな」
ヒビキの台詞には、全てが込められていたと思う。
はなから明日夢は鬼にならず、自分の進む道を別に見つける。
それを踏まえた京介とのやりとりは、いい流れだったし、
憧れから始まって、戸惑って、弟子入りし修行して、諦めて、
最終的に、別の道を見付けた明日夢に心から拍手を送りたい。
ラストの「シュッ!」では、ホロっとなってしまった。
慌しい終盤だったものの、最終回は納得いく終わり方だった。
なんの不満も無いし、不平不満の微塵も沸いてこなかった。

2☆異色作としてスタート
主役を、新人では無く中堅役者(細川茂樹)を起用したり、
徹底した和のテイスト導入と、少年の成長過程をミックスし、
それまでの平成ライダーと、全く違った雰囲気を持った作品だった。
いや、平成ライダーの中でだけの異色ではおさまらない。
1号から全てのライダーを、ずっと観てる自分にとっては、
4作目のアマゾン、ビデオとLDのみの真、でかくなったJ、
それらの単なる異色作とは比べられないくらい衝撃的だった。
1話から大好きになり、のめりこんだ作品は珍しい。
番組開始後、【11話まで観ての感想】は↓にて。
http://kazu392.web.fc2.com/ma/ri/015.html

3☆路線・プロデューサー・脚本家が変更
おもちゃも売れず、子供向け番組としては失敗だった序盤。
しかし自分は、この異色さと独特の雰囲気に魅了された。
全く新しい仮面ライダーを喜んで観ていた。
新しいのは作風だけでは無かった。
番組途中で、プロデューサーと脚本家の交代で、
世界感が変化したのも、そのひとつだろう。
理由は発表されていないが、前プロデューサーが、
予算やスケジュール管理が未熟だったのは、噂通りなんだろう。
前後の回を見れば納得出来るし、メディアで否定もされていない。

4☆30話以降の批判者続出
それで嫌いになる事も無かったし、更に面白く楽しめた。
けして、最初がつまらなかったとゆう意味では無い。
開始当初は、平成ライダーで一番好きだった555と並ぶ!
そう断言していた。(上記【11話まで観ての感想】リンク参照)
奇しくも、その555の脚本家が後半を受け持つ事態になった。
なにも井上敏樹という脚本家が書くライダーが好きなわけじゃない。
結果的に好きなライダーが、井上が書いてたものだっただけなのだ。
一見、同じじゃん?な、この理屈。実は全く違う。
自分は脚本家の書く台本に固執してドラマを見る人間じゃ無い。
出演してる役者の魅力、作品全体の雰囲気、ライダーの設定、
展開、盛り上がり、全てひっくるめて好みに合うものを好きになる。
この交代劇で作風がかなり変化し、多くの批判する声がネット上で溢れた。
それに反比例して、後半の視聴率は少々伸びたみたいだが。

5☆絶賛者も批判者も最後まで観た響鬼
視聴率は、あくまで小範囲のリサーチだが、それでも、
1年間で最後にいくほど伸びたのは、すばらしい事だと思う。
言い換えれば途中で観なくなった人が少ないという事。
それは視聴率だけでなく、ネットでもかいまみえる状況だった。
実際、けなしたり批判した人々も、30話以降見限る訳でも無く、
最終回までしっかり見て、今まで以上に不満を述べている様だ。
つまらなくなったから観るのやめた…じゃなく、
最後まで毎週見て、その上でしっかり毎週不満を述べているのだ。
その『29話まで肯定・30話以降否定』の人達は、
きっと序盤に、響鬼が大好きに成り過ぎてしまい、後半に向け、
過度の期待を膨らませて望んでいたのだろう。
それだけ期待を膨らまさせる魅力を充分に持ってた作品だと思う。

6☆加点法と減点法
みんながみんな後半に不満な訳では無いが、不満を言う人達は、
自分の過度の期待に反する場合、減点をしていくタイプである。
話は少しそれるが、フィクションのドラマを観るときに、
面白く思ったものを加点していくと、不満を感じる事は殆ど無い。
毎週観て毎週不満を感じるなら、観るのをやめればいいだけの事である。
スタート0点で観始めると、加点するものが無かったら見限れる。
だが、100点で観始めると、しんどい。
やれヒビキの台詞が−10点。やれ属性の面無くした−20点。
愛しのイブキが出番減った−5点。挙句、京介死ね−150点。
とっくのとうに0点越えてマイナス点になってるのに、
始めが100点だったので、心の隅で期待を捨てきれない。
その為、不満ばかり出るけど、観るのはなんとなくやめれない。
加点法と減点法、大きな違いである。
楽しんで番組を見れるか、ストレスが溜まるか、極端に分かれる。

7☆響鬼では多くのファンと出会えた
だいぶ書いてる事が、本編の内容とずれたけどもう少々。
自分は1号から仮面ライダーを見続けている特撮ファンだ。
555の時からHPを始めて、毎週感想を書いている。
特撮専門のHPじゃ無いけれど、好きだから毎週書いている。
そんな折、ここ1年のブログの普及率は凄まじいものがあった。
それにともなって、色々と仮面ライダーファンの感想を、
ネットを通じて拝見する機会が増えた。嬉しい事である。
皆が皆、後半に不満の方ばかりでは無い。
30話以降も、同じ場面で感動したり、ザンキの死に哀しんだり、
沢山の共感を得られたのは、本当に嬉しかった。

8☆最初からすぐに100点を越えた響鬼
そして、今週から新たに仮面ライダーカブトがスタートした。
これまた、本当に嬉しい事である。
昭和の1号からストロンガーの、5作約4年半のサイクルは、
とっくに突破され、7作目7年目に突入した。仮面ライダー生誕35周年万歳!
正直、響鬼1話ほどの食いつきは、自分には無かった。
まぁいつも「仮面ライダーだから観る」のスタンスである。普通だ。
先にも述べたように加点法で、0点からのスタートなのだ。
それを考えると響鬼って、初回から一気に加点された気がする。
細川の好演技、曲・BGMの豪華さ、独特の世界観、奇抜さ、
恐ろしい速度で加点されていった。
しかしけして100点スタートでは無く、すぐに100点を越え、
それでも緩やかに加点は続き、最終回で何点か計算出来ない状態。

9☆カブトは響鬼を越えられるか
果たして、この大好きだった響鬼を、カブトは越えられるのか。
何度も書くが、期待は過度に膨らませていない。
ブレイド程度に楽しめれば、それで充分満足だなと。
そんな位置から観始めている。
いちよ剣の最終回の感想も↓にて。此の頃から既に無意識に加点法してる(笑)
http://kazu392.web.fc2.com/ma/ri/014.html
響鬼が面白かったから、カブトも…なんて見方は絶対しない。
でも、仮面ライダーだから観るってのはある。
でもって仮面ライダーを楽しみたいという気持ちが大きくある。

己の勝手な想像で期待を膨らませて観るのでは無く、
『仮面ライダー』を楽しく鑑賞したいのだ。
それは、30年以上ずっとそうだったし、言葉では説明できない。
さて20作目のカブトは、どれほど楽しませてくれるのか…。
第1話の感想では、絶賛した。でもまだ50点くらい。
その後の結果はまた、いずれおいおいと…。

10☆日記に書かなかった理由
ホームページを立ち上げた週から、毎週日記で感想を書いていた。
555から響鬼まで1週も欠かさずに。
しかしこの響鬼の最終回の感想だけ、あえて日記に載せなかった。
何故かは記さないが、このページにその心理有りと最後に独り言。

(2006/01/31)

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