正直、予告で見た時点では、 嫌な予感とか、ほんま大丈夫かといった心配とか、 これでクウガから6作続いた平成シリーズは終わるかもとか、 そんな悪い方のことばっかり考えていた。まったくの杞憂だった。 第1話からハマれるなんて珍しいとさえ思える仮面ライダー響鬼。 その魅力と心に響いた事を書き連ねてみる。 一つめにその姿。 奇抜なデザインは、今までで既に成れていた。 でも今回の初見の衝撃は半端では無かった。 クウガとアギトはそれなりにもなんとか仮面ライダーっぽかった。 龍騎を始めて見た時は、さすがの仮面ライダーびいきの俺もぶったまげた。 555には唖然とさせられた。こんなん仮面ライダーやないと。 ブレイドも初見はかなり変に感じた。しかし次第に感覚が麻痺してくのか、 今となっては、これら3つの仮面ライダーもしっかり仮面ライダーとして、 見れるようになっている。慣れというのは恐ろしい。 今回の響鬼はその頂点ともいえるだろう。仮面ライダーの面影は全く無い。 まず仮面ライダーの特徴である、昆虫的な複眼の目が無い。 龍騎ですら仮面の下にしっかり赤い目があった。 555の黄色も、ひねくれずに長い目で見てやればちゃんとした複眼に映る。 しかし響鬼に目が存在しない。その奇抜なデザインは仮面ライダー史上初。 これがもう既にカッコいと思ってるからハマる訳だ。 2つめはその面子。 主役がおっさんである。1号の藤岡弘、は25歳で仮面ライダーしてた。 中には20代真ん中辺りで、仮面ライダーした人もいるだろう。 だけど殆どは20歳前後の若者が、主役をはるのが今までの流れ。 しかも此処近年のイケメン茶髪を揃えたライダーアクター達の活躍で、 新たな仮面ライダーファン層を支えた時代を、一気に壊す気満々である。 いやけして細川がぶさいくだと言っていない。彼もなかなかの男前である。 逆に演技面で見て、過去の○崎や○戸のような不安定さを感じなくてすむ。 さすがに演技がまともなオダジョも賀集も、始めの頃はたどたどしかったもの。 そこは貫禄の細川。余裕でこなしているヒビキの演技は安心して観れる感じだ。 11話の劇中でしっかり、「おにいさん? おじさんでいいんだよ」と、 堂々と言ってるところもかなりいい演技だったと感服させられた。 主役がしっかりしてると、全体的にみんながみんな上手に見えるから不思議だ。 明日夢やあきらなどの若手も、きっちり影響をうけてる気がする。 今までの子供向け『演技より勢い』じゃなく、しかっり劇してるところが良い。 30歳を越え、既にドラマ等で活躍した役者が主役なのは仮面ライダー史上初。 「今の棒読みはなんや?」と突っ込めないしっかりしたドラマ。ハマる訳だ。 3つめは凝った演出。 BGMがまったく仮面ライダーっぽく無い。戦闘のイメージが無い。 最近では野村効果でギタージャンジャンの派手なBGMが多かった。 もちろん嫌いではない。躍動感あるし、かっこいいと思える。 しかし響鬼のそれは、はじめ聞くと結構へんてこりん。時代劇ぽくもある。 そして筆字がサブリミナル効果の如く頻繁に挟まれる。 これがおとなしいBGMや太鼓のポンと一緒に出るんだからますます時代劇。 しかしこの懲りようは決して中途半端でなく徹底されていてすぐに洗脳される。 日本人古来の笛太鼓のメロディーに漢字の視覚効果まで合わさって、 また、地方の情景や下町の風景も目に優しく、いい感じで機能していると感じる。 ここまで遊び心をふんだんに取り入れて冒険しているのは仮面ライダー史上初。 もはやその独特の世界観に魅了されてしまっている。ハマる訳だ。 4つめはすごい歌。 オープニングがインストなのにまず驚いた。聞けば聞くほどに味の出る曲。 アギト以降エンディング無かったけど今回は復活。その卑怯な壮大さにも驚いた。 布施くらいの貫禄が無かったら、このオーケストラも真っ青のでっかい曲は無理。 聞いた話ではオリコン十何位かにチャートインしたらしい。 歌詞には少年へのメッセージが込められている。物語が響鬼の活躍のみで無く、 少年の成長に視点を置いたドラマだけのことはあって心に響く内容の歌詞だ。 オープニングの『輝』は、何回もアレンジを変えて繰り出される雄大なインスト。 スケールのでかさはエンディングに引けをとらない。まるで大河ドラマの様だ。 2曲とも本当に今までの仮面ライダーの概念を越えるモノ。仮面ライダー史上初。 『輝』は着メロに固定。『少年よ』もカラオケ歌う気満々。ハマる訳だ。 他に思いつくところは、アマゾンでさえ4話からジャングラーに乗ったのに、 響鬼はやっと10話でイブキのバイクを運転した。しかも下手くそという設定。 専用マシーンは真・仮面ライダーも無かったがTV版でバイク無しは史上初。 本来なら『仮面ライダー響鬼』では無く、『仮面響鬼』とするべきだ。 でもバイクに関しては、今後なんかありそうな予感がする。 ヒビキなら鍛えて乗りこなす可能性もありえる。 サブタイトルの存在。役者の提供読み。エンディング曲。 クウガにはあったが、アギト以降無かったものを復活させたのも憎い試み。 デザイン、役者陣、演出、主題歌、これら4つのポイント以外にも、 もう書きつくせない位のいろんな新しい風を取り入れたニューヒーロー。 まだ11話しか放送されていないが、 熱中度は既に、平成過去5作品で一番好きだった555と並んでいる。 今後も楽しみでしょうがない。 (2005/04/13) |
File.15 響鬼にハマる理由
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