File.14 仮面ライダーブレイド完結に拍手

平成仮面ライダー第5弾。
仮面ライダーブレイドが平成17年1月23日に終了した。
全49話、放送後タイムリーにこのHPで感想を書いてきた。
余韻覚めやらぬ今、もう一度まとめとして、
仮面ライダー剣をおおいに語りたくなったのでここに。

正直、前作の仮面ライダー555が、すごく気に入り過ぎていた。
龍騎アギトのように放送開始時、これはいいのか?と迷う事無く、
すんなり入って、始まりから最後まで面白く楽しめた。
自分の中で、今もなお平成ライダーナンバー1の555の後番組。
当然、555と比較し、物語開始当時は物足りなさを感じた。
だけど結局、最後の頃は「ブレイド面白い」になっていたから、
やっぱり自分は、根っからの仮面ライダー好きなんだろう。

アンデッドをカードに封印するというのは、
仮面ライダー龍騎の召喚獣と契約するやつに少し似ていた。
ライダーシステムを使用しそれを職業にするところは、
仮面ライダーアギトのG3システムにかなり似ていた。
はは〜ん!とうとうネタが尽きて、安直な設定かましたな〜!
そう油断して、1クールくらいを甘く見ていたから、
徐々に加速する面白さに打たれ逆にカウンター気味に好きになっていった。

なんといってもカリスの存在が、前半から光った。
アンチヒーローの持つ魅力と、孤独に闘いを続けながらも、
少女とその母に対する人間愛と、主役に対する友情と呼べない情。
それらが葛藤し、その存在を謎にしたまま物語は進んでいった。
ダークである黒を基調に洗練されたデザインも秀逸でかっこよかった。
人間体である始こと森本君の目で語る演技もたいしたもので、
前作の木場ホースオルフェノクからの流れを受け継いだ、
敵とも味方とも断定できない位置のヒーローの活躍。
木場ホースオルフェノク同様、このカリス始がまず気に入った。

中盤では、既に放送開始時から公表しその登場をじらしていた、
第4の戦士レンゲルが、話をいっそう深くしていった。
まだ幼さをのぞかせる少年が、精神的な苦悩を乗り越えて、
仮面ライダーとなっていく成長記的な要素も加わり面白かった。

橘という主人公の先輩で、セカンドポジション格のクールガイが、
人間的に弱い部分を晒して、伊坂や広瀬に利用されるのも面白い。
その人間臭さがにじみ出ていて、これが47話で見事に魅せてくれた。
ライダーギャレンはともかく、この橘朔也は大好きだった。

ヒロインの立場である広瀬栞を、あえて強気に仕立てて、
御供に優しい虎太郎をつけるのはアギトの小沢・尾室コンビを思い出す。
これがなかなかいい味を出していて、緊迫した話に安らぎを施していた。
栞の様な勝気ではっきりものを言うタイプは、はっきり言って好みだ。
そのうえ美形で整った顔に笑顔も可愛くて、言う事無しだ。

そしてこれら脇役に紛れて存在感がずっと乏しかった感じの主役・剣崎。
555でも主役をあえて序盤から前面強調していなかったが、
この仮面ライダーブレイドでは、更にその上をいき、中盤以降も、
乾巧のように感情移入できるエピソードが用意されてなかった気もする。

だけど、それは意図的だったのでは?とも思える程の、この結末。
賛否両論となったけど、下手に主人公に愛を感じなかっただけに、
逆に最後一気に惚れてしまった感じがする。
これが、剣崎素適!な気持ちをずっと持って、最終話を見たなら、
え〜 なんで〜 そんな〜酷い!最低な終わり方! ってなったかも。

最後の砂浜に残った1本のバイクタイヤの跡と爆走音。
それが、彼がいまも何処かで・・・、
といった、視聴者が好きに想像出来る場面で終了したのは渋すぎる。
別設定である劇場版の冒頭部には繋がらない終わりかた。
前作の555が、かなりしっかりした王道を行く終わり方だったから、
今回、こういったはっきりしない終わり方もアリなんだろうと思った。
38話あたりから、しっかり伏線貼ってあったのも心憎い。その時は、
やけにあっさりと解決した(克服できたな)と思っていたがそれも納得。

ラスト3話でまず橘が消え、ラスト2話で睦月が倒れ、
こういった盛り上げ方も嫌いでは無い。で、見事に実は生きていた。
そんなホッとさせる展開もいい感じだった。
とにかく4人共死なずに、みんなとにかく無事で、そして平和に。

これを剣崎が一人で犠牲になったと、悲観的に捉えるよりも、
始が最後に見た彼の笑顔と、始が最後に聞いた彼の台詞を、
素直に受け止めたほうが心が晴れるし、気持ちが良い。
今はもう消されてるが、最終話放送後しばらくの公式ホームページでは、
落ち葉散る路のベンチに陰、そして空には剣崎の笑顔な1枚トップ写真。
いつものライダー達の勇姿では無く、ラストの景観をパワーアップ1枚。
覚めかけていた最終話の余韻を再びこみ上げさせてくれた。
実によく出来たインパクト大な本当に憎いやり方だな〜とおそれいった。
名前を付けて画像を保存しながら、一瞬泣きそうになった自分に驚く。

最後の切り札は自分。
闘わずにして平和を守った、優しい仮面ライダーに拍手。
そして・・・、
仮面ライダー(1号2号)から仮面ライダーストロンガーの時に立てた、
5作品連続4年半といったそれ以降越えられなかった壁を越えて、
5年超過、6年目突入、連続6作品目である仮面ライダー響鬼がスタート。
これについてはまた改めて後日に。
なにはともあれ、これからも続く仮面ライダーワールドに拍手。

(2005/02/07)

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