File.7 親切なブレイド

常に進化し、変貌を遂げながら、
長期に渡り続いている『仮面ライダーシリーズ』。
基本は1話完結のヒーロー番組だが、
しかし同時に連続モノのTV番組でもある。
連続モノであるが為に、全話通してのテーマや謎、
「つづく」が意味する話が繋がっている要素もまたある。

30年前の時代の初期『仮面ライダー(1号2号)』なら、
「世界の平和を守る」勧善懲悪のテーマ1個で充分だった。
『仮面ライダーV3』で前後編をとり入れ26の秘密なる謎を盛り込んだ。
だけどそれはまだ、パターンが不動の解かりやすい番組。
『BLACK』では世紀王候補の争奪を全編に繋げ、
更には『シャドームーン』の存在で話を引っ張った。
存在意味や、話の流れに続きモノの要素が大きく加わる。
『仮面ライダークウガ』以降は更に複雑化し、途中から見たら、
訳が解からない状態に陥る複雑な話の連続性を持つ事に・・・。

最近のライダーシリーズ(平成ライダー)は50話前後の話で、
1つの『お話し』といった要素となっているのだ。
対して戦隊モノは、いい意味でパターンを確率しているので、
1回見るだけでもそれで楽しめるつくりになってる。
単純に話が進んで、ロボット登場。最後ドカーンで終わる。
ゴレンジャーから統一された王道のヒーロー番組の構成。

『仮面ライダー』という冠はつけているものの、
世界観をその都度変えようと試みた結果
話を根底から作り上げ、設定を複雑にひくはめになったのだ。
『仮面ライダー555』はその弊害の頂点だったのかも知れない。
登場人物も多く、複数人が変身、途中で見たら解からない。
みんなが555になれるみたいなトコもあり、解かりづらい。
加えて謎も多く途中参加を完全に拒否する造りだった。

そこで多分戦法を一変する事を試みたのだろう。
『仮面ライダー剣』は謎を後々まで引っ張る事無く一旦説明して、
また新たな謎…と言った少し親切な構成となっている。
大きな謎は底にあるものの、断片を小出しに解説しているし、
その解説が、話の流れを説明する合わせ要素を秘めている。
途中参加を招待する敷居を下げた造りと、
謎を楽しめず敬遠する人を逃さない造りを用意した訳だ。

これはこれで良い。
新たな展開が仮面ライダーシリーズに加わった訳だ。
自分は素直にこの新鮮な展開を楽しんでるし、
結果ライダーファンが増え人気が出れば自分は嬉しい。
1話1話をその都度に単純に楽しみたい人もいれば、
全話通じた壮大な物語を期待する人もいる。
自分みたくただ『仮面ライダー』なら好きと言うのも稀にいる。
さて一気にみんなをとり込む事ができるのか?ブレイド!

まだ10話も経過してないので一概には決め付けられないし、
今後クローバーも加わって話は複雑化しそうな気配はある。
が、このスタッフの新たな親切心が何処まで発揮されるのか、
そういった所も、今後の「仮面ライダー剣」に注目したい。

(2004/03/15)

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