File.5 平成ライダー1号 仮面ライダークウガ

『仮面ライダークウガ』は平成12年1月30日スタート。
その前作の『仮面ライダーBLACK RX』は、
平成元年に放送されていたのだが、始まったのはその前の年。
(後半のOP冒頭に、昭和天皇の様態がテロップで流れているのが、
はっきりと残っていて、録画を見るたびに昭和の終わりを感じさせられる)
今回のトークは、長いブランクを経て誕生した平成ライダー1号。
すなわち2000年代ライダー1号の『仮面ライダークウガ』について少々。

本来特撮番組を見る歳で無くなっていた俺は、
それなりに、というか歳相応に、特撮から離れていた。
ずっと続いていた戦隊モノ等の特撮番組も見ていなかった。
『仮面ライダーBLACK RX』の終了は、
俺にとって特撮番組を見る習慣も終了させていたのだ。

何の宣伝で新しい仮面ライダーが放送されると知ったのかは、
はっきりと覚えていない。
だけど幸運な事にも、仮面ライダーという大好きなキーワードに、
過敏に反応し、第1話から見逃すこと無く無事に観る事が出来た。
そしてここからまた、仮面ライダー熱が再発生しちゃったのだ。

クウガの第1印象は「高級感あるお洒落な仮面ライダー」だった。
いろんなフォームにチェンジ出来るからってのもあるが、
それよりも仮面ライダーの映り方が高級だと感じた。
画面が明るいのが、今までと一番違う違和感だった。
フイルムからビデオ映像になり、画質も綺麗で鮮明になった。
しかもビスタサイズでおしゃれである。
そして場所と時間が場面転換でテロップ表示されたり、
『つづく』の文字が記号で、背景の色も毎回の内容によって違う。
渋い演出で、おしゃれだ。
BGMにも高級感が溢れていた。上品な音楽だ。
「仮面ライダー五代雄介は改造人間である…」
などの従来の馴染み深い説明ナレーションは無く、
キャスト自らが重々しい口調で、
「仮面ライダークウガは、バンダイとご覧のスポンサーの…」
と、CMクレジットを読み上げる。これまたおしゃれだ。
PSのクウガのゲーム!
10年という時代の流れが、ここまでも『仮面ライダー』を、
おしゃれに高級に変えてしまうのか?と驚いた。
当然この違和感に拒絶反応を抱き、
入り込めなかった同年代を何人か知っている。
だけど俺はこれを素直に感動し受け入れて夢中になってしまった。
昔からの筋金入りの仮面ライダー好きはけして伊達じゃない。
クウガの世界自体にも惚れる事が出来たのだ。

いきなり弱体フォーム(OPで登場のと違うフォーム)で、
弱いながらも闘ってしまう五代雄介に、まずビックリした。
そして彼のさわやかなキャラクターは、
今までのライダーにあった改造人間の悲壮感のかけらを、
微塵も見せない。ものすごく前向きなのである。
加えて正義感もあり、技を磨く向上心もある。

その五代雄介の向上心というか好奇心が後々、
激しくクウガをフォームチェンジさせることとなり、
結果、おもちゃ戦略を盛り上げる。

クウガのそれは、
RXの様に原型をまったく変える段階変身では無く、
全てがマイティフォームを軸に、箇所変化という形式。
これが人形にはえらく都合がよく、着せ替え感覚の、
装着変身シリーズは、実に画期的な商品(おもちゃ)となった。

また、オダギリジョーと葛山信吾という、
スター役者を生み出した事により、その後のシリーズでの、
かっこいい美形男揃い踏み路線を確率した。

過去の仮面ライダーファンを再び呼び戻すだけに留まらず、
更には、おもちゃと俳優陣の2大要素を成功させた事により、
以降のシリーズにその余波を流し、
仮面ライダーシリーズを復活させた貢献度大のクウガ。
くだらないリバイバル作品に留まらなくて、本当に良かった。

(2004/02/22)

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