File.8 鉄人・兄貴!!

阪神甲子園球場が誕生して80年が経った記念の日。8月1日。
この後、阪神タイガースは、野球に青春を燃やす高校生に、
ホームグラウンドであるこの球場をしばらくの間あずけて、
死のロードと呼ばれる長期遠征試合が続く。
その長期遠征前の最後の甲子園での試合であり、
甲子園の誕生日である試合。
結果は憎き敵、巨人に負けてしまったが、
金本知憲・兄貴が日本新記録を更新した。

701試合連続フルイニング出場。
広島時代の平成11年7月21日に始まり、
甲子園での阪神戦から数えて、今年の8月1日の、
同じく甲子園での試合、対巨人戦のフル出場を終え、
元阪神の内野手・三宅秀史の記録700試合を抜いて、
歴代単独1位となった。

フルイニング出場なので、当然先発レギュラーではいり、
守備固めや代走にてベンチに下がる事無く、
ゲーム終了時までプレイを続ける訳で、
あしかけ6年の間ずっと、それを繰り返した功績である。
元広島の衣笠祥雄のフルイニングで無い2215試合連続も、
すごく偉大な1位だが、金本の701試合フルイニング連続は、
鍛え抜かれた心技体を持つ鉄人でなければ成し得られない記録だ。

入団当初、ひ弱かった金本はその昔、西武とのオープン戦で、
試合前に左足首を捻挫し当時の三村監督にきつく叱咤された。
この時の試合に出られない悔しさをバネに、以来身体を鍛え、
新記録3日前に中日・岩瀬から死球を受けた左手首の痛みに耐え、
この偉大な記録を生むまでの男に成長した。
昨年、弟分の藤本が自ら痛みを申告した時、金本は藤本に、
痛いと言ったら試合に出させてもらえないだろうと激しく責めた。
そんなエピソードにも、彼の男気を感じる。

いくら身体が頑丈でも、
打てなければ、守れなければ、走れなければならないし、
レギュラーを維持し続ける成績が無ければいけない。
しかも4番を打ったり、3割30本30盗塁を達成したりと、
本当に頼もしさを感じるし、応援しがいがある。
また彼は迫力ある人相にしては、笑顔が爽やかで好感が持て、
インタビューでの答えもユニークで面白い。
まさに男っぽくて面白くて頼りになる兄貴である。

夏に強く気温の上昇と共に気合も入り大活躍と言うのも魅力的。
7月後半、打てない期間が少しあったが、
初旬の記録に残る逆転ホームランや奇襲バンドなど、
その存在感というか貫禄は伊達では無い。
きちんと得点を挙げているし、チームの勝ちに繋がっている。
これから続く死のロード。8月は金本の活躍に期待したい。
そして是非とも2年後に世界記録を達成して欲しいものだ。

もっと欲を言えばその2006年、世界記録達成と共に、
阪神タイガースがV4を飾る好調を維持し、
グランドで藤本にやんちゃに飛び掛かる、
元気な金本を見続けたいものだ。

(2004/08/06)

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