85年の優勝後、一昨年まで続いた暗黒時代。 その長期の中たった1度優勝間違いなしとうたわれ、 舞い上がった年があった。が、結果は大逆転され優勝を逃した。 1992年の悪夢。 その惜しくも2位だった翌年はまたBクラスに転落し、 以来再び不甲斐ない成績を約9年続ける訳だが、 その暗黒時代の後半戦を、 必死で投げながらも、ちっとも報われなかった投手がいた。 藪恵壹。昭和43年9月28日生まれ。右投げ右打ち。 新宮高→東京経済大→朝日生命→阪神タイガース。 惜しくも優勝を逃した翌年の1993年のドラフトにてタイガースに入団。 翌年1994年にデビューして、見事新人王に輝く。 その年の成績は、9勝9敗・防御率3.18だった。 今となっては、年相応の顔つきになり口髭もはやし貫禄も出てきたが、 デビュー当時、その頃の阪神には珍しい整った良い顔をしていた。 新庄や大野といった中にはカッコいい選手もいるにはいたのだが、 比較的昔からブサイクで(またそれが味があって良かったのだが) 冴えない顔の選手が多かった阪神では特殊な部類であった。 今はすっかり男前が増えてるけど。 藪はその頃売り出してた織田裕二に似てると噂されたのを思い出す。 マイクこと仲田幸司の様な甘いマスク路線だった(勝手に思う。) 私はかなり彼をデビュー当時から好きだった。 打たれだすとカッカして自滅するタイプだった。 丁寧に投げれば、きちんと打たせて取れるピッチングが出きるが、 調子の波が極端で負けの時のイメージが強烈に残ってしまう感じだった。 味方が打ってる時に崩れ、我がが力投してる時は味方に打って貰えない。 昔からそんな状態を、ついてない運命を背負っていた。 実際防御率は悪くは無い。5月14日の段階で1.91だ。 今季、藪が先発した試合は6試合で6得点しか取って貰ってない。 毎試合たった1点しかとってもらえてない計算だ。 藪自身は今季、まったく崩れてなく平均大目に数えても1試合2失点。 本来なら6勝してて福原と並んで最多勝でもおかしくない内容。背番号を18から4に変えた(井川のせいかな?)おととしの防御率は、 3.14で10勝6敗。これも思い起こせば15位は勝ってた試合だった。 去年は3・96で崩れるシーンも結構あり僅か8勝と奮わなかった。 だけど今年の藪は毎試合頑張って投げている。 本当に昔から運が無い可哀相な投手である。 昨年の優勝も、本来なら10年頑張っての初優勝で嬉しい筈なのだが、 優勝の貢献度から自分があまり役に立って無かった事から、 祝賀番組でのインタビューでもあまり元気が無かったかに見えた。 (これはまったくの個人的観察による勝手な思いだけど。) しかし優勝によって例え運が無くても、10年闘ってきた意地と、 ベテランと呼ばれる様になり、またFAで来た投手達に刺激を受け、 本人の中で何か迷いを吹っ切るものがあったのだろう。 今季の藪はそれほど素晴らしい投球内容。 なのに11年目にして早くも100敗をきっし、 14日の試合後に「ツキが無い、笑うしか無い」とこぼしていた。 長年の藪ファンとしては、笑ってる場合では無い。笑ってられない。 打線は水物と言うけれど、打撃陣も藪先発の時に、 「打ってあげなきゃ」と変に力み過ぎてる感じもするのだ。 頑張れ藪! 頑張れ8人の野手! 今度の試合では是非大量得点を・・・ 藪がくさって昔の悪い癖を出さないうちに(ひどい言い方) (2004/05/19) |
File.5 不運のエース!?
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