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Chapter.18

特捜最前線 DVD BOX

まえおき
テレビ朝日系列で放送されていた、1970〜80年代を代表する刑事ドラマ。
何回、いや何十回と見ても飽きない、刑事ドラマの中で一番好きな番組です。
大好きな藤岡弘、さん、誠直也さんが出ているという、キャスト面だけでなく、
物語の重厚さ、脚本の素晴らしさ、そして人間の深い所を突くヒューマンタッチ。
多分、今の時代にここまで重たいストーリーはテレビで放映出来ないと思います。
今回のフリーページは、そんな大好きな『特捜最前線』について・・・。

Stage.1・特捜最前線に対して思うところ

この前、歳の離れた若い方にチラッとこの特捜最前線の事を話したら、
「ああそれ母が大ファンで、昔よく観てたよ」と言われました。
本人は殆んどどんなものか知らないご様子に、ちょっとショックを受けました。
母が…。まぁ2〜30年前のドラマなのですから、それが普通だと思います。
極論を言えば、同年代の人でも毎週観てた人が周りに居なかったので、
名前は知っていても、よく覚えてない人が多い事も頷けるところがあります。
大抵は「暗い」「重い」「地味」って印象が残ってるみたいです。

今から30年半前の1977年4月にスタートした、特捜最前線。
その当時の刑事ドラマといったら、やっぱり『太陽にほえろ!』や『Gメン75』
その後には『大都会』や『西武警察』となって、以前に語った『あぶない刑事』
更に『はぐれ刑事』になって『相棒』で現在に至るといった感じでしょうか。
その時々の時代性というか、テレビドラマとしての表現の違いとかもあって、
刑事ドラマのスタイルは、現代と30年前とは大きく異なっています。
2時間ドラマの普及が、第一の転機とするならば、
半年以上のスパンの長期シリーズが放送されなくなったのが第二の転機で、
バラエティ主体となった今現在のテレビそのものが、第三の転機なのでしょう。
もしかしたら今後ドラマが有料視聴となったら(第四の転機?)、
また全然違った新たな刑事ドラマが作られるんじゃないかなと創造してみたり…。
話がちょっと反れたので戻します。
本放送は勿論子供の頃です。夜10時の放送にも関わらず夢中で毎週見てました。
当時子供だった私が、今改めて見ても重いこのドラマを夢中で見てた理由は、
実に単純なものでした。1号ライダーとアカレンジャーが出てたからです。
仮面ライダー(1号2号)の藤岡弘さんや、秘密戦隊ゴレンジャーの誠直也さん、
更に仮面ライダーストロンガーの荒木しげるさん、後にスカイゼルの夏夕介さん。
実際は特別捜査の意味の「特捜」なのですが、
特捜最前線の特捜は特撮『とくさつ』と呼んでも間違いない程に、
それまでの特撮ヒーローを演じた俳優さんが多く出演されていました。

そんな訳で観始めたきっかけは、好感を抱いてる俳優さんが、
刑事として登場しているという事だけだったのです。いたって単純なのでした。
当然、幼い私に深い内容は100%理解できる訳も無くて、
変身しない彼達が、人を殺す悪い人達を捕まえて日本の平和を守っているんだ!!
・・・くらいにしか、感じ取れなかったのではないかと思います。
それでも、彼等の活躍を毎週楽しみに観ていました。
親も暗いからと言って見なかった番組を、ずっと夜遅くに一人で見てた少年は、
やがて大きくなって、徐々に大人の話も理解できる様になってきて、
やっぱり特捜最前線は面白いと、再認識しました。それは80年代後半頃です。

そう再認識するには、子供の頃から数えて10年間509話というのは、
たっぷりすぎる程の期間だったと思います。10年経てば子供は大人になれます。
さぁ大人になったぞ、さぁどんなディープな内容も受け止めてやるぜ!と、
身構えた頃に、「そうか解かるようになったか!良かった!じゃバイバイ」と、
終了された時は哀しかったです。これからって時に去られて哀しかったです。
ようやく目線が同じ高さになった大好きな大人の人達が、
「あの坊やが大きくなったもんだ。おじさんは嬉しいぞ」と喜んでくれたのに、
「じゃあな」と言い姿を消した様な衝撃でした。もっと続いて欲しかったです。
その後、更に時が過ぎ、歳をとり、新たな刑事ドラマをいくつも観た上で、
再び再放送などで特捜最前線を観ると、その面白さを改めて痛感しました。
そのうえ、古き時代の当時の街の映像やファッションや流行を見ることで、
リアルで放送を観ていた幼少の頃を思い出すノスタルジーも得られました。
断片的に覚えてたエピソードを思い出し、理解不能だったものが理解できました。
まるで途中でほったらかしにしてたパズルが、急に埋まっていくかの如く、
一気に完成し、解決し、解明し、感銘し、感動しました。
そして放送終了から19年半以上が経とうとした去年の11月。
DVD BOXの第1弾が発売されました。再放送とは別の形での再会が訪れました。

Stage.2・特捜最前線のデータ

テレビドラマ特捜最前線
テレビ朝日系 水曜22時 全509話
1977年4月6日〜1987年3月6日(436話以降木曜21時からに変更)
途中2時間拡大版のスペシャルが1回(1985年10月10日放送)
メインキャスト
神代恭介警視正:二谷英明  船村一平警部補:大滝秀治
櫻井哲夫警部→警部補:藤岡弘、  高杉陽三巡査部長:西田敏行
吉野竜次巡査部長→巡査長:誠直也  叶旬一警部補:夏夕介
津上明巡査長:荒木しげる  橘剛警部:本郷功次郎
紅林甚一警部補:横光克彦  滝二郎巡査:櫻木健一
時田伝吉警部補:渡辺篤史  犬養清志郎巡査部長:三ツ木清隆
杉敏夫巡査:阿部祐二  児玉雅子巡査:槇葉子
玉井光子巡査:日夏紗斗子  江崎愛子巡査:愛田夏希
早見健介巡査長:五代高之  的場大巡査長:渡辺裕之
高杉幹子巡査:関谷ますみ  蒲生大助警視:長門裕之
メインスタッフ
プロデューサー:高橋正樹 斉藤頼照 深沢道尚
五十嵐文郎 武居勝彦 浅香真哉 阿部征司 東一盛
企画:高橋正樹 音楽:木下忠司 音楽制作:あんだんて
脚本:長坂秀佳 塙五郎 石松愛弘 佐藤肇 阿井文瓶 宮下隼一
橋本綾 藤井邦夫 竹山洋 佐藤五月 峯尾基三 山田隆司 高久進
ナレーター:森山周一郎 五木田武信 中江真司
監督:永野靖忠 天野利彦 村山新治 佐藤肇 松尾昭典 宮越澄 辻理
制作:テレビ朝日 東映
主題歌:「私だけの十字架」尾中美千絵(作詞)木下忠司(作曲)チリアーノ(唄)
「メインテーマ」(1〜52話)木下忠司(作曲)
「メインテーマU」(53〜508話&SP)木下忠司(作曲)

神代課長が率いる、特命捜査課の心優しき戦士達が非常の犯罪捜査に挑みます。
基本的にカーアクションや銃撃戦はありませんが、タマには出てきます。
爆弾・誘拐が、ここぞというストーリーで出てきて目立ちます。
でも基本は殺人事件です。潜入捜査もタマにありますが基本は地味な捜査です。
タマに夏の怪奇シリーズとか、地方・海外ロケ等もありますが、
殆んどが都内の事件で、リアルすぎる位の重くて暗いお話です。
1時間1話完結が基本ですが、前後編(後編にUが付く)がわりとありました。
2時間拡大版が1回あり、三部作(挑戦)や推理クイズ付きの回もありました。
殉職は津上刑事、吉野刑事、蒲生軽視の3人。異動や退職が断然多かったです。
初回から最終話まで、ずっとOPで紹介された刑事は神代軽視正のみです。
櫻井刑事は途中海外に赴任してましたし、他の刑事は総入れ替えされました。
しかし神代軽視正が二谷英明さんの都合で、数話主演無しの時期もありました。
その時に特命課の指揮をしたのが蒲生警視で、長門裕之さんです。
この蒲生の窓際軽視シリーズは、結構好きでした。
オープニングは曲が2種類あります。
森山周一郎さんがナレーションの初期のやつは、ものすごく渋いです。
次の矢印バージョンでOPの雰囲気は一変、アップテンポな曲に変更され、
いきなりのイントロがカッコよく、スピード感があります。
仮面ライダーでお馴染みの中江さんの「天に地に…」のナレが大好きです。
画面半分が覆面車走行で、もう半分が刑事達のカットインの、
青背景に白矢印がよく映えてました。
次にそのあと長年続く太陽がバックのメジャーなオープニングに変更されます。
曲は固定で、キャストスチールやナレーションの変更が繰り返されます。
対してエンディングは、一貫して10年間、チリアーノさんの愛の十字架です。
いきなり「ジャカジャン!」のイントロで始まるものが殆んどですが、
タマにイントロが流れて被り、サビの部分からEDに突入するパターンとか、
1番まるまる流れてから2番でEDに突入する回もいくつかありました。

放送時間は水曜日の22時からでしたが、テレビ朝日が平日の22時台に、
ニュ―スステーションという報道番組を帯で5日間放送する事になった為、
それまでのドラマ枠が一斉に排除もしくは引越しという事態になりました。
そのあおりで、特捜最前線は水曜から木曜日の21時に移動させられました。
同時にリフレッシュを計り、1話から頑張っていた吉野刑事を殉職させました。
大好きな吉野刑事が居なくなった事が、すごく寂しかったです。
そのあと1年とちょっとで、番組は終わりました。
10年間の区切りに、最終回「十字架三部作」で幕を下ろしたのです。
その後、続編もSPも一切無く、見事なまでの引き際でした。

Stage.3・特捜最前線BEST SELECTION BOX

昨年の11月にVol.1、今年3月にVol.2、7月にVol.3が、
DVD BEST SELECTION BOXとしてリリースされました。
収録作は、発売元の東映ビデオのホームページ上で収録希望話の公募を募り、
その投票結果を元にセレクトされた、まさにファンが選んだものばかりです。
再放送で、これはまた観たいと思いDVDに焼いて保存していた回もあれば、
保存しなかった回もあり、再放送を録画する機会が無かった回もあります。
また、再放送(地方によってはあったかも)を観てない回もあります。
ちなみに、本放送当時はビデオ自体が保存に耐えられる質で無かった時代です。

3巻に収録された47作と、ボーナスディスクの内容は以下のとおりです。
Vol.1
第  1話 「愛の十字架」
第 13話 「愛・弾丸・哀」
第 94話 「恐怖のテレホン・セックス魔!」
第105話 「さようなら、高杉刑事!」
第114話 「サラ金ジャック・射殺犯桜井刑事!」
第133話 「六法全書を抱えた狼!」
第146話 「殉職T・津上刑事よ永遠に!」
第147話 「殉職U・帰らざる笑顔!」
第172話 「乙種蹄状指紋の謎!」
第277話 「橘警部逃亡!」
第317話 「掌紋300202!」
第333話 「一円玉の詩!」
第359話 「哀・弾丸・愛 7人の刑事たち」
第360話 「哀・弾丸・愛U 7人の刑事たち」
第459話 「挑戦・この七人の中に犯人は居る!」
第460話 「挑戦U・窓際警視に捧げる挽歌!」
藤岡弘、インタビュー
長坂秀佳インタビュー
合同記者会見
予告編集 第1話〜第169話

Vol.2
第 50話 「兇弾・神代夏子死す!」
第 51話 「凶弾U・面影に手錠が光る!」
第 62話 「ラジコン爆弾を背負った刑事!」
第 80話 「新宿ナイト・イン・フィーバー」
第118話 「子供の消えた十字路」
第127話 「裸の街T・首のない男!」
第128話 「裸の街U・最後の刑事!」
第131話 「6000万の美談を狩れ!」
第160話 「復讐T・悪魔がくれたバリコン爆弾!」
第161話 「復讐U・5億円が舞い散るとき!」
第163話 「ああ三河島・幻の鯉のぼり!」
第215話 「シャムスンと呼ばれた女!」
第351話 「津上刑事の遺言!」
第430話 「昭和60年夏・老刑事船村一平退職!」
スペシャル 「疑惑のXデー・爆破予告1010!」
荒木しげるインタビュー
夏夕介インタビュー
予告編集 第170話〜第338話

Vol.3
第 29話 「プルトニウム爆弾が消えた街」
第 30話 「核爆発80秒前のロザリオ」
第 54話 「ナーンチャッテおじさんがいた!」
第 85話 「死刑執行0秒前!」
第103話 「帰って来たスキャンダル刑事!T」
第104話 「帰って来たスキャンダル刑事!U」
第107話 「射殺魔・1000万の笑顔を砕け!」
第136話 「誘拐1・貯水槽の恐怖!」
第137話 「誘拐U・果てしなき追跡!」
第170話 「ビーフシチューを売る刑事!」
第435話 「特命課・吉野刑事の殉職!」
第499話 「長坂秀佳シリーズ(第500回記念作品) 退職刑事船村・鬼」
第500話 「長坂秀佳シリーズ(第500回記念作品) 退職刑事船村U・仏」
第506話 「長坂秀佳終章三部作・橘警部・父と子の十字架」
第507話 「長坂秀佳終章三部作・桜井警部補・哀愁の十字架」
第508話 「長坂秀佳終章三部作・神代警視正・愛と希望の十字架」
誠直也インタビュー
横光克彦インタビュー
予告編集 355話を除いた第339話〜第508話
全巻ニュープリント・コンポーネントマスター初回生産限定です。
いづれも豪華BOXにピクチャーレーベル仕様です。
出演者・監督・脚本家等インタビュー記事や、各話の詳しいデータが満載の、
24ページ解説書が付いています。
勿論、大ファンとして3巻とも購入しました。

収録作の半数以上を再放送でDVDに焼いてるにも関わらず、
3つで8万円近くになる高い買い物をしました。
その原因はやはり、予告編のコンプと、ボーナスディスクの魅力と、
未保存回(再放送未見)の回収がしたかったからです。
その結果、ボックス3つを手元に置くという満足感が得られました。
早いもので、もうすぐVol.1を買ってから1年が経ちます。
今現在、Vol.3の視聴中です。 既にVol.4とVol.5の発売が発表されましたが、
それらは先の3巻に比べて個人的に興味が薄い為、買わないと思います。
Vol.1〜3収録作の感想等は日記ページに書いています。

保存してなかった回を観て、新たな感動と面白さを感じられた話もあれば、
何度も観たにも関わらず、改めて深く心を鷲掴みされた話もあり、
再放送を観て無い回に関しては、あまりの懐かしさに大喜びしています。
仕事やプライベートが忙しいのと、急いで一気に楽しむ性分では無い為に、
ゆっくりと週に1話位のペースで観ています。

Stage.4・特捜最前線は永遠に

本放送が終了してから、20年と半年。今も特捜最前線が大好きです。
もはやこれを超える刑事ドラマには、今のテレビ番組がどうのこうのでは無く、
多分もう出会えないのではとさえ感じております。

最後に本音を・・・。
ファンならTVSPを願うものですが、私はもうやらなくてもいいかなと。
当時の出演者、脚本家、監督で、まったく同じメンバーのものならともかく、
興味も無く魅力も感じない新たな刑事役を集めての、
『特捜最前線』の名前を付けただけのSPを観ると興醒めしそうだからです。
「西●警察」や「G●ン」や「太●にほえろ!」がそのいい例です。
(唯一の例外は「あぶない刑事」ですが、これは主役級4人がいたからこそ)
新参の刑事が1人でも入った特捜最前線は特捜最前線で無くなると思います。


天に地に絶える事なき犯罪に、ひたすら闘いを挑む時、
多くは語らない。彼ら最前線の男たち。

愛と死と憎悪が渦巻くメカニカルタウン。
非情の犯罪捜査に挑む心優しき戦士達。彼ら特捜最前線。
放送終了後1度もSPや映画などでの再会をさせてくれなかった特捜最前線。
よく理解できない子供の頃から数えて10年間で509話を観た特捜最前線。
大人のディープで深くせつない感情を、興味深々で魅せてくれた特捜最前線。
ようやく大人の目線で観れる様になった時に、終わってしまった特捜最前線。
子供の頃の情景と、子供の時に感じた大人の大人らしさが満載の特捜最前線。
もう新たな特捜最前線には絶対に出会えないけれど、
大好きだった特捜最前線は、昔と変わらずいつも優しく接してくれます。
いつまでも自分を子供として暖かく接してくれます。
本当に多くを語らない心優しき戦士たち。彼ら特捜最前線。
 
(2007/11/08)
かず


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