File.14 揺れる警視庁

今年の中頃から本放送の合間を縫って放送されるSP再放送。
原作ストックが少なくなり、アニメオリジナルもそんなに沢山作れず、
まさに苦肉の策と言えるのだが、ひいき目で見て言い換えれば、
改めて名探偵コナンの魅力を再確認するいい機会でもあり、
今まであまり見てなかった人に対して、たまたま見た場合に、
コナンってこんなに面白いよとアピールするお披露目的チャンスでもある。
デジタルリマスター版で冒頭と最後におまけシーンを加え、
過去の懐かしい、そして人気や評価の高かった作品がチョイスされている。

まず始めは、「霧天狗伝説殺人事件(52話)」。
かなり初期の懐かしい作品だった。
続いて、「浪花の連続殺人事件(118話)」。
大好きな服部が大活躍で一番好きな台詞をはく名作だった。
更には、「呪いの仮面は冷たく笑う(184話)」。
これも結構懐かしく、トリックが秀逸で本格ミステリーな作品だった。
そして今回(10/4)の「揺れる警視庁1200万人の人質(304話)」。
去年のお正月SPでまだ記憶に新しい作品だが、
改めてよく出来た話だったなーと再認識できた。

物語は3年前の回想シーンから始まる。
いきなり緊迫したシーンに、製作スタッフのテロップが順次挿入され、
まるで映画の様なオープニング形式に期待はいやがうえにも高まる。
警視庁警備部機動隊爆発物処理班。その本格的な動きに目を惹き付けられる。
萩原研二と松田陣平は仲の良い同僚。往年の刑事ドラマ「太陽にほえろ!」。
マカロニとジーパンを想像させる憎いネーミングにキャラデザイン。
緊迫した冒頭シーンは続く。
高層ビル上部に仕掛けられた時限爆弾。
その装置を解除にあたっていた萩原が犯人の罠にはまり爆発音と共に消えた。
それを階下で目撃した松田はその直前まで萩原と携帯で会話をしていた。
その萩原刑事の殉職を、まのあたりにした松田の叫びが悲痛に響き渡る。
場面は一転して毛利探偵事務所に。
蘭と新一の電話による会話からオープニング曲へと流れる。

本当にいいつくり方だ。頭から2時間引き込むには充分な導入部分だと思う。
映画チックな作りは、粋な冒頭シーンだけでは無くて、
ラストに派手なアクションシーン(佐藤刑事大活躍)を用意してあるし、
エンディングも作中のシーンからフェードインする形の手法を取っている。
そして何よりもストーリーの重厚さには圧巻させられる。
恋と大事件と暗号とスリルとアクションと、とにかくお楽しみが満載。

ベースはパート5まで放映されシリーズ化されてる「本庁の刑事恋物語」。
その最も核となるエピソードで、原点ともいえるし転機ともいえる内容。
佐藤美和子・高木渉両刑事中心のお話だが、
もちろんコナンの活躍の場もしっかり後半に据えてあるところが渋い。
知っているのに知らん振りをするコナンの得意技で犯人を翻弄。
あやうく高木刑事に全てバラすのかとどきどきさせられた。
また灰原哀の高木刑事に投げる台詞も面白かった。
「江戸川君抜きの私達だけじゃ不満なのかしら?」に続き、
「不満なのかしら」×3のたたみかけに大笑いした。

どあたまのオマケ、結婚式騒動のオチが最後にあると思っていたが、
別に何も無かったのが残念だ。
そしてジャイアンツのユニフォームを着たコナン人形プレゼント。
これにはガッカリ。まぁよみうり系の宿命か。
平次のタイガースバージョンも作ってよと強く希望。

名探偵コナン・秋の本格ミステリー2時間スペシャル。
秋のとうたいながら、劇中は思いっきり正月明けの様相。
デジタルリマスター版・揺れる警視庁1200万人の人質。
既にしっかり録画保存してあるが、
気持ち綺麗に感じる絵と本格とうたうに相応しい内容。
また懐かしさも加わって、めちゃくちゃ楽しんだ。

次のお楽しみは正月SP。
今年の2時間半を越え、コナン史上初の3時間とかなんないかなと期待。
って言うか本放送も今年は残り10話も無いんだろう。
どうせ12月は他の特番ばかっりになるだろうしね。
だからこそ今年の残りの本放送にもしっかり期待。
頑張ってね〜コナン製作者さん達。

(2004/10/07)

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